虎の巣head

無干渉時ストーリー論

(2025年11月24日、第2章までを発表)
(2025年11月30日、第3章以降を発表)
#本稿は2024年4月から2025年11月にかけてBBSに断続的に書き込んでいた内容・議論を再編したものである。

 0.はじめに
 1.無干渉時の物語についての推察方法
 2.主人公らの冒険
  (1)アルベルトとシフの旅立ち
  (2)ジャミル、アイシャ、バーバラの旅立ち
  (3)グレイとクローディアの旅立ち
  (4)ホークの旅立ち
  (5)導かれし者たち
 3.世界の動向
  (1)フロンティアの動向
  (2)クジャラートの動向
  (3)ローザリアの動向
  (4)騎士団領の動向
  (5)バルハラントの動向
  (6)バファルの動向
  (7)アロン島(及びサンゴ海)の動向
  (8)リガウ島の動向
 4.まとめ
  (1)干渉時と無干渉時の結末についての整理
  (2)比較を通して
   (i)デスの規律
   (ii)最善、最悪、そして次善
 5.おわりに

0.はじめに

 ロマ1は8人の個性的なキャラクターたちの中から主人公を選択でき、かつフリーシナリオシステムなので、プレイヤーの意思決定によるロマ1の世界への干渉によって描かれる物語は無数に分岐することになる。
 では、プレイヤーが全く干渉しなかった場合にはロマ1の世界はどのような物語を辿るのだろうか?
 本稿ではこの問いについて検討してみたい。

1.無干渉時の物語についての推察方法

 ロマ1において「プレイヤーが干渉しなかった場合」というものを皆さんはどのようにイメージするだろうか?
 例えば、グレイを主人公に選択した人ならば「グレイ、ガラハド、ミリアムの3人でリガウ島に上陸して、財宝を探しに行って・・・」というルートを無干渉時にもたどる・・・と思うかもしれない。
 しかしながら、無干渉時には実のところ「開始時に3人でリガウ島に上陸した」ということ自体がそもそも怪しくなるのである。

 まずは、このことに関わるイベントの進行段階を見ていただきたい。       
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・北エスタミルにミリアム出現。

01 32

・ホーク開始。

02 48

・グレイ開始。

 これが何を意味するのかと言うと、ホークで開始して戦闘回数48回の時間経過をして北エスタミルに行ったとしてもそこにミリアムがいるということである。
 つまり、ホークが主人公の世界においてはグレイはリガウ島に財宝を探しに行ったと思われるものの、ミリアムを連れて行ってはいないということになるのである。

 上記の場合はホークを主人公にしてプレイヤーが干渉しているわけであるが、それすらも干渉しないならば、段階00からにミリアムは北エスタミルにいて、その後の段階01、02においても変化は無いからミリアムは北エスタミルに居続けていることになる。
 従って、無干渉時であってもグレイの開始時である段階02にミリアムは北エスタミルにいるから、グレイには同行していないという結論になるのである。
 

 このように、無干渉時の物語の展開についてはイベントの進行段階及び関わるフラグの数値変動から推察していくことにする。
 なお、根拠データを全て提示するのは膨大になるため、以下では検討結果のみを主に示し、必要に応じて根拠データを示しながら説明を付す。

2.主人公らの冒険

 本章では無干渉時に主人公キャラクター8人がどのような物語を描くのかについて整理する。

(1)アルベルトとシフの旅立ち
 アルベルトとシフの開始時の物語の展開は以下のようになると思われる。
段階 戦闘回数 アルベルト シフ
00 0

・東の洞窟でシリリーファズを討伐。

→イスマスが襲撃されて脱出。(ルドルフとマリアは死亡)

→ローバーンから脱出。

→ブルエーレから船に乗るがイナーシーの嵐に巻き込まれて難破する。

・西の洞窟と南の洞窟のモンスター退治をする。

01 32

・バルハラントの難破船で意識を取り戻す。

・バルハラントの雪原をうろつく。

・難破船でシフがアルベルトを保護する。

→二人はガトの村に行き、ガトから騎士団領の地図を貰う。そして、ローザリアに向けて出発する。

06 112

・二人はクリスタルシティーに辿り着く。


■兵士1、2の生死
 アルベルトが主人公の場合の開始時イベントは一本道であるが、主人公ではない場合であっても物語の展開には大きな違いは無い。
 しかしながら、実はアルベルトが主人公の場合とそうでない場合では決定的な違いが一つある。
 それは兵士1、2の生死である。
 アルベルトが主人公の場合にはイスマス襲撃のイベントで兵士1、2のフラグがD(死亡)になるのであるが、主人公ではない場合にはイスマス襲撃に関与しないため兵士1、2のフラグに影響が出ず、イスマスが崩壊しても兵士1、2は死なないのである。
 #ルドルフとマリアの死亡はイスマス進行段階で管理されているのであるが、仲間に加入する兵士1、2はそれとは別の個別フラグで管理されているため、このような現象が起こる。

 では、アルベルトが主人公ではない場合に兵士1、2が生き残る理由を物語考察としてはどのように説明したらよいのか?
 アルベルトが主人公の場合には死亡して、主人公ではない場合には死亡しないということは「主人公の場合には兵士1、2を決死の覚悟で挑ませる何かがあったのか?」という可能性も考えられるが、もしかしたらそもそも非番でイスマスにいなかっただけなのかもしれない。
 例えば、1.で述べたようにグレイが主人公の場合には開始時にミリアムが同行しているが、主人公ではない場合には同行していないように、そもそもその場にいなかったという可能性もあるのである。
 つまり、アルベルトたちの東の洞窟探索に同行して、その夜にイスマス襲撃に巻き込まれて殉職したのは兵士1、2ではなく兵士3、4だったかもしれないわけである。
 

■「モンスター掃討2」への関わり
 アルベルトorシフが主人公の場合との大きな違いは「モンスター掃討2」を解決しないでバルハラントから脱出していることである。
 従って、戦闘回数880回の時間経過で「モンスター掃討2」が自然解決するのはどうしてか?が気になるところではあるが、それについては第3章で後述する。
 #なお、バルハラント~クリスタルシティーの道中である騎士団領での「騎士団の誇り」にも関与していない。
(2)ジャミル、アイシャ、バーバラの旅立ち
 ジャミル、アイシャ、バーバラの開始時の物語の展開は以下のようになると思われる。
段階 戦闘回数 ジャミル アイシャ バーバラ
03 64 (ダウドと盗賊稼業。)

・モンスターに襲われているところをナイトハルトに助けられる。

→ナイトハルトに連れられてクリスタルシティを訪問。

→ナイトハルトをタラール村に案内する。

・詩人に踊りを披露してアメジストを譲り受ける。

→一座はニューロードを南下する。

04 80

・パブで依頼を受けて、単身でハーレム探索を開始。

・単身でクリスタルシティを観光する。

→帰り道でガードに拉致されて、ハーレムに送られる。

・南エスタミルに到着し、旅芸人稼業に勤しむ。

・ジャミルはハーレムに潜入し、そこでアイシャを救出する。

→二人は北エスタミルから南エスタミルに避難する。

・バーバラが逃亡してきたジャミルとアイシャに出会う。事情を聞いて放っておくことができなくなったため、一旦一座を抜けてジャミルとアイシャに付き添うことを決意する。

05 96

・3人は南エスタミルのパブにて今後について検討中。

#この時点でタラール村の住民たちは砂漠の地下に移動する。


■クリスタルシティへの地図
 アイシャが主人公の場合にはナイトハルトに連れられてクリスタルシティに行ったとしても地名を記入できないのであるが、主人公ではない場合にはちゃっかりとクリスタルシティに現れる。
 おそらく、主人公ではない場合にはクリスタルシティ観光に未練がありすぎて、ニザムにせがんで見事に地図をGETしたのでしょう。

■ダウドは一緒に行かない
 アイシャが主人公の場合にジャミルがハーレムに単身で侵入してくることから推察すると、ダウドはジャミルと一緒に泥棒稼業をしていただろうが、ジャミルと一緒に冒険に出発することはなかったようである。
 

■ファラは拉致されない
 ハーレムと言えばファラが捕まっているイメージが強いが、プレイヤーが干渉しない場合にはファラは捕まらないようである。
段階 戦闘回数 事柄
06 112

・ハーレムでファラと合流した。

・ジャミル、アイシャ、バーバラがクリスタルシティにいる。

07 144

・ファラが南エスタミルに戻ってくる。

・ジャミル、アイシャ、バーバラがウロにいる。

 関わるイベント進行段階は上記のようになっているのであるが、プレイヤーが干渉しなければファラは南エスタミルの定位置に居続ける。
 故に、段階06で「ハーレムでファラと合流した」と「ファラが南エスタミルの定位置にいる」が同時に起こることになるが、ファラは定位置にいるので、「ハーレムでファラと合流した」は発生していないと見なすことができる。
 必然的に「ファラが南エスタミルに戻ってくる。」も発生していないと見なすことができる。

 このように、ファラは攫われることなく「ハーレム潜入」は終結することになる。
 従って、プレイヤーが干渉した場合にはジャミルはファラ救出のためにハーレムに潜入するのに対して、無干渉時にはジャミルはあくまでパブで受けた依頼のためだけにハーレムに潜入することになる。
(3)グレイとクローディアの旅立ち
■グレイ一行の前日譚
 時織人には以下のように説明されている。

・ガラハド:アロン島でグレイと、南エスタミルでミリアムと知り合った後、しばらく行動を共にする。

・ミリアム:南エスタミルでグレイ、ガラハドのコンビに会い、無理やりついていってしまう。

 上記とミニオン論5で述べたガラハドの密命を考慮すると、グレイ、ガラハド、ミリアムには以下のような前日譚があったと思われる。
事柄

・ナイトハルトからの密命を受けてFタイラントと交渉したガラハドは「冷気を発するもの」を捜し始める。

→ガラハドがアロン島に上陸。そこで冒険中のグレイと出会い、一緒に旅をすることになる。

→グレイ一行は冒険を続け、南エスタミルにてミリアムがパーティーに加入する。

→3人でしばらく旅を続けた後、ミリアムはパーティーから抜けて北エスタミルへ、グレイとガラハドはリガウ島へ向かう。


■グレイとクローディアの旅立ち
 グレイ、クローディアの開始時の物語の展開は以下のようになると思われる。
段階 戦闘回数 グレイ クローディア
02 48

・グレイとガラハドがリガウ島に上陸。ミリアムは同行していない

→グレイ一行は何やかんやで(プレイヤーが訪れることのないダンジョンで)それなりに稼いだと思われる。

(迷いの森でボーっとしている。)

03 64

・グレイとガラハドがメルビルに到着し、パーティーを解散する。

・クローディアがシルベンとブラウをお供にして迷いの森内でジャンを助ける。

04 80

・メルビルのパブでジャンと出会う。

→ジャンが依頼をしてくる。

・クローディアがジャンを助けたことをオウルに報告する。

→クローディアが単独でメルビルに訪問し、ジャン、ネビルに会う。

・ジャンの手引きにより、グレイはクローディアのガイド(護衛)になる。

→グレイとクローディアは暗殺者に狙われつつも観光を楽しむ。(イベントには関与しない。)

07 144

・ジャンがローバーンの牢屋に入れられる。ネビルからの依頼を受けて、グレイとクローディアはローバーンのモニカの小屋に到着。

08 160

・グレイとクローディアがジャン救出作戦を決行する。

#この時点でサルーインの秘密神殿が壊滅する。

09 176

・二人はローバーンのモニカ小屋でジャン救出成功の打ち上げ中。

#ジャンがメルビルに戻ってくる。


■ゆったり皇女様
 クローディアは他の主人公キャラクターと比べて、かなりゆーーーーーーっくりと行動している。
 お散歩しながら小鳥さんや動物さんたちとお話をしているのであろう。

■お供2匹は連れて行かない
 グレイが主人公の場合にジャンから紹介されるクローディアはお供2匹を連れていないので、クローディアは単独でメルビルに向かったのだと思われる。

■ガラハドの居場所数値「0」
 段階05でガラハドの居場所数値は「0(出現場所不明)」になるが、おそらく進捗状況をナイトハルトに伝えるためにクリスタルシティーに戻っているのでしょう。

■ジャンの監禁された時期
 当サイトの「物語の進行」では「ローバーンにジャンが監禁される。」が段階08に記載されているが、これはイベント「ジャン救出作戦」が開始されるタイミングだからである。
 しかしながら、内部数値としては上記のように段階07の時点でジャンは捕まっていて、グレイとクローディアはローバーンに到着している。
 すぐさま救出に行かずに、1段階分じっくりと綿密な作戦の計画を練っていたのであろう。

■サルーインの秘密神殿壊滅
 グレイやクローディアが関わっていないのに、どうして段階08でサルーインの秘密神殿が壊滅するのか?については第3章で後述する。
(4)ホークの旅立ち
 ホークの開始時の物語の展開は以下のようになると思われる。
段階 戦闘回数 ホーク
01 32

・ゲラハとともに海賊稼業に勤しんでいたが、ブッチャーに嵌められてアロン島へ逃避。(レイディラック号を失う。)

→ゲッコ族から古文書を購入。(ゲッコ族の誘拐事件には関わらない。)

→船でノースポイントへ。

02 48

・ローザリア北部を冒険してみたものの頓挫ばかり。("陸に上がった河童"を痛感する。)

07 144

・ノースポイントのパブでホーク海賊団を解散する。


■古文書購入
 段階02で始まるグレイですぐさまアロン島に行ったとしても、
 ・ゴドンゴのゲッコ族「キャプテンホークというきゃいぞくぎゃ、この辺りで難破して、しばらくこの島にいたよ。そのうち船でノースポイントへ行ってしまった。」
 ・ゲッコ村のゲッコ族「ジャングルの東ぎゃわに古い神殿ぎゃある。その秘密を記した古文書を持っておったぎゃ、ホークときゃいうきゃいぞくに売ってしまったわ。」
 とゲッコ族が話すように、ホークは既に古文書を購入してノースポイントに旅立った後である。
 ホークは冒険を開始して速攻で10000金を稼いだことになるが・・・お宝ザックザクの当たり商船でも襲えたのだろうか?
 

■ホークの居場所数値「2」
 段階02でホークの居場所数値は「2(出現場所不明)」になるが、おそらくローザリア北部の地図に表記されていない場所を冒険中なのだと思われる。
(5)導かれし者たち
 主人公キャラクターたちのパーティーの変遷を以下に示す。
段階 戦闘回数 ノースポイント ウロ クリスタルシティ 南エスタミル ブルエーレ ローバーン 放浪
05 96
06 112
07 144
08 160
09 176
0A 240
0C 336
0D 400
段階 戦闘回数 ノースポイント ウロ クリスタルシティ 南エスタミル ブルエーレ ローバーン 放浪
0E 416
0F 432
10 448
12 476
14 576
15 592
16 608
17 624
段階 戦闘回数 ノースポイント ウロ クリスタルシティ 南エスタミル ブルエーレ ローバーン 放浪
18 720
19 800
1A 816
1E 880
1F 960
20 1040

 上記のように主人公キャラクターたちは時間経過に伴ってパーティーを編成・再編成しながら各地を巡るのであるが、主人公キャラクターたちが関わるイベントは(1)~(4)で示した旅立ちイベントだけであり、プレイヤーが干渉できる他のイベントには一切関わることはない。
 それ故に傍から見ると、パーティーを編成した以降はただただ合コン的な観光旅行を楽しんでいるだけのようにも見えてしまう。
 そして、実際にそれを裏付けるような不可解なことも起こっているのである。即ち、
 ・クリスタルシティに戻ってもナイトハルトに生存報告をしないアルベルト。
 ・村に帰りたいはずなのにガレサステップに訪れても村に帰らないアイシャ。
  #別の見方をすると「アイシャを保護した仲間たちは彼女を村に送り届けることなく連れ回し続ける」。
 ・オウルに呼ばれても迷いの森に帰らないクローディア。
 の3つである。
 果たして本当に合コン観光旅行が楽しすぎて、アルベルト、アイシャ、クローディアはこれらの不可解な行動をとっているのだろうか?

(i)謁見しないアルベルト
 まず、イスマス襲撃時からクリスタルシティーに戻るまでのアルベルトの目的意識について整理しておく。              
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・イスマス襲撃時にルドルフからナイトハルト殿下に救援を求めるように言われる。

#ルドルフ「モンスターの大軍に襲われた!二人は城から脱出し、クリスタルシティへ行き、ナイトハルト殿下に救援を求めるのだ!」

→城の脱出口でモンスターに囲まれるも、ディアナからルドルフの命令を果たすように言われて崖から突き落とされる。

#ディアナ「お父さまの命令を忘れたの?必ずナイトハルト様のもとへ辿り着くのよ。」

→モニカ小屋で目覚める。ゲーム内では表示されないが、当然「ここは?」というやりとりをモニカとしているはず。目覚めた場所がバファル領ローバーンと知り、敵意を持っているかもしれないモニカに自分の素性を明かすわけにもいかず、速やかにそこから離れようとするが、いろいろと察しているモニカは優しく手助けをしてくれる。

→速やかにローザリアに戻りたかったが、世間知らずのアルベルトはモニカに貰った地図を見てもローバーンからイスマスへの経路がよく分からなかったので、モニカに従いブルエーレに行くことにする。

→ブルエーレからオービル行きの船に乗ったものの、イナーシーの嵐に巻き込まれて船が難破してしまう。

01 32

・気付いたら雪国。シフと出会ってそこがローザリアから遠く離れたバルハラントだと知る。

#アルベルト「バルハル族!ということは、ここはバルハラントなのか・・・。ローザリアと反対側へ来てしまった・・・。」

→ガトの協力により、シフとともに騎士団領を経由して、ローザリア(オービル)に戻る。

#アルベルト「ローザリアに戻らなければならないんだ。何とかならないだろうか!?」

→この時点で、イスマス襲撃から結構な日数が経っているので、今更救援を求めることに意味がないことは察している。そこで、状況把握のためにまずイスマスを訪れる。そして、惨状を目の当たりにする。パブにいるアルベルトが「イスマス城が奪われて~」と言うのは、このイスマス来訪があったから。

#アルベルト「モンスターの大軍にイスマス城が奪われてからあちこちを旅して、やっとここまで来ました。」

06 112

・シフとともにクリスタルシティに到着。


 クリスタルシティに現れたアルベルトは「これから宮殿へ行ってナイトハルト殿下にお目にかかるつもりです。」と、今すぐにでも殿下に謁見しようとしているように見えるのであるが、実際には全く会いに行かないのはなぜなのだろうか?・・・というのが本題である。
 

 本稿としては、ディアナ論で述べた裏事情が関係しているのだと推察する。
 ディアナ論で述べた裏事情を簡単に説明すると、
 イスマス襲撃から逃げ延びることができたディアナはナイトハルトに謁見し、ナイトハルトから今回の襲撃の原因ついて聞かされた。
 その話を聞いたディアナはナイトハルトに両親の仇討ちを申し出て、それを了承される。
 このナイトハルトの了承の背景には、イスマス襲撃の首謀者はアクアマリンを狙ってイスマスの生き残りであるディアナとアルベルトを狙ってくる可能性が高いから、自分の妻になるディアナを避難させる一方で、敵をおびき出す囮としてアルベルトを利用するという真意があったのである。
 ということである。
 つまり、アルベルトが時間経過とともに場所を変えながら旅をしているのは、本人の自覚なく敵をおびき出すための囮として動き回らされていたわけである。

 そうだとすると、アルベルトの動きを誘導する役割の人物が必要になる。
 その役割の適任者と言えば、アルベルトと顔見知りである兵士1、2であろう。
 #(1)で述べた通り、アルベルトが主人公ではない場合には兵士1、2はイスマス襲撃で死なない。
 おそらく、ディアナが仇討ちの旅に出た頃に、兵士1、2はナイトハルトに呼び出されて、アルベルト誘導の密命を言い渡されたのである。

 密命を受けた兵士1、2は消息不明になっているアルベルトが姿を現す可能性の高いクリスタルシティでアルベルトの帰還を待っていた。
 そこにシフとともに姿を現したアルベルト。
 アルベルトの生存に歓喜する兵士1、2の二人であったが、同時に密命を決行した。
 「まだディアナ様は見つかっていませんが、○○でそれらしい姿を見たという情報がありました。」のような虚偽情報を伝えたのである。
 そうすることで、「イスマスも、両親も、姉も・・・何も守れなかった・・・せめて姉だけでも見つけてからナイトハルト殿下に謁見したい。」という心境にアルベルトを上手い具合に誘導したのである。
 例えば、アルベルトがローバーンに向かったのはモニカに呼ばれたわけではなく、兵士1、2に「アルベルト様はどうやって逃げ延びたのですか?もしかしたらディアナ様も同じ経路を・・・」のように言われて、もう一度訪ねてみることにしたからである。
 また、「放浪中」になるのはプレイヤーでは行けない場所での目撃情報を兵士1、2から聞かされて、そこに捜索に行っているのであろう。

 このようにアルベルトは「せめて姉を見つけてからナイトハルト殿下に謁見する!」という気持ちでいるが故にナイトハルトに会いに行かないのだと思われるが、それならばクリスタルシティーでアルベルトを加入した際に「これから宮殿へ行ってナイトハルト殿下にお目にかかるつもりです。」と言い出すのはなぜなのだろうか?
 「今までは勇気が出なくて謁見できなかったけれど仲間がいれば心強い!」のような「仲間がいれば~」みたいな理由の可能性がパッと思い浮かぶが、そもそもアルベルトにはシフ姉さんという心強すぎる姉御がついているわけなので、そういう理由ではないはずである。

 では何故なのか?・・・おそらく、この台詞は「プレイヤーが干渉したから」引き出された台詞なのではないだろうか。
 これまでにも示したように、ロマ1はプレイヤーが干渉した場合とそうでない場合で展開が大きく異なってくる。
 それならばプレイヤーの干渉の有無により台詞の変化・・・つまり、アルベルトの心境の変化が起こっても何ら不思議ではないように思う。
 つまり、アルベルトは当初は「せめて姉を見つけてからナイトハルト殿下に謁見する!」という気持ちでずっといたけれど、プレイヤーが干渉した結果、何か大きな力が働いて急に「今からナイトハルト殿下に謁見しなくちゃ!」という心境になってしまったのである。

 ・・・この「何か大きな力が働いて」という唐突で無理やりな暴論に付いていけていない読者の方も多いと思いますが、残りの二人・・・アイシャとクローディアについても同様の説明をします。
 唐突で無理やりな話だと思われるのは承知の上ですが、本稿ではそのように見なしているということで一旦受け入れて読み進めていただけるとありがたいです。

(ii)帰らないアイシャ
 「私、タラール族のアイシャ。こんな遠くまで来たのは初めて・・・村に帰りたいな。」、「村に帰りたいから一緒に行かせて。」・・・このようにタラール村に帰りたい気持ちいっぱいで仲間に加入するアイシャなのに、実際には村に帰ることはない。
 アイシャが「帰りたいのに帰れない」のは何故なのか?
 

 アイシャが村に帰らない理由・・・「保護した大人たちが連れ回している」のような他者ありきだとすると、アイシャが単独で移動している場合であっても帰らないことを説明することができないので、アイシャが単独でも帰らない理由を説明する必要がある。
 ・・・となると、「村に帰りたい」という気持ちでいるアイシャがガレサステップを経由しながらも村に帰らない理由なんて説明することはできないように思う。
 故に、アイシャが帰らない理由も「プレイヤーの干渉」の影響なのではないだろうか。
 つまり、プレイヤーが干渉しなければアイシャは「村に帰りたい」という気持ちになることはなく、ずっと「まだ遊び足りない」状態で観光旅行を楽しんでいるのであるが、プレイヤーが干渉した場合には何か大きな力が働いてアイシャが急に「村に帰りたい」という心境になってしまうのである。

(iii)帰らないクローディア
 戦闘回数240回の時間経過でオウルがクローディアを呼ぶようになるが、どうしてクローディアは森に帰らずに冒険を続けているのか?
 宿屋に泊まるとオウルの声が聞こえるのだから、もしかしたら「寝ていないから!」・・・なんていうのは現実的ではないだろう。
 ではどうしてか?

 オウルからの呼び出しがあったら「オウルは私を育ててくれたの、分かって!」、「オウルを捨ててあなたと行くわけにはいかないわ。さようなら。」と、仲間と別れてでもオウルに会いに行くようなオウル思いのクローディアだから、無干渉時であってもオウルからの呼び出しがあったのならば即座に森へ帰っていたはずである。
 

 ところが実際には、クローディアはそんな素振りを全く見せていないわけなので、プレイヤーが干渉していない場合にはクローディアはそもそもオウルに呼び戻されてはいないと考えた方が妥当であろう。
 つまり、プレイヤーが干渉していない場合には戦闘回数240回の時間経過でオウルが寝込み始めるもののクローディアを呼び戻すことはないが、プレイヤーが干渉すると何か大きな力が働いてオウルが急にクローディアを呼び始めるのである。

(iv)「大きな力」とは何か?
 (i)~(iii)において、アルベルト、アイシャ、クローディアの不可解な行動の背景にはプレイヤーの干渉によって引き起こされた「何か大きな力」の働きがあることを指摘した。
 とはいえ、本稿だけを読んでいる方にとっては「何か大きな力」などと言う滅茶苦茶な結論では納得できないとは思う。
 ・・・しかしながら、当サイトでこれまでに発表してきたロマ1論を読んでくださった方々ならば、その「何か大きな力」の正体に察しがついているのではないだろうか。

 本サイトの物語考察の立場からすると、古代神話論で述べたように「マルディアスの世界は外界の人物(古代神と呼ばれた存在)が創り出したシミュレーションの世界」である。
 そして、運命石論3で述べたように「エロールがデステニィストーンを創ったことで古代神時代のシナリオ(脚本)の断片がマルディアスに生きる者たちの運命に干渉するようになってしまった」のである。
 この2論を前提とすれば、「アルベルト、アイシャ、クローディアは古代神時代のシナリオにキャスティングされた人物であり、彼らは外界の人物が作ったシナリオに配役されてしまったために、外界の人物がプレイヤーとして彼らに干渉することでそのシナリオのイベントフラグが発動してしまう」と見ることができるのである。
 つまり、「何か大きな力」とは「マルディアスというシミュレーション世界にプログラムされているイベントフラグの発動」なのである。
 「姉を見つけてから殿下に謁見する!」というアルベルトの意思を塗り替え、アイシャの遊び足りない気持ちをホームシックに変貌させ、仮死状態のオウルにクローディアを呼ぶように差し向ける・・・マルディアスに生きる存在ならば誰も抗うことのできない大きな力が働いた結果なのであった。

(v)おまけ:シフのローバーン来訪
 プレイヤーが無干渉時の場合の話ではないけれど、「アルベルトがパーティーにいてシフがパーティーにいない場合にどうしてシフがローバーンに現れるのか?」ということについても触れておく。
 主人公シフがアルベルトを仲間にしてもローバーンは地図に記載されないし、シフはローバーンに何の縁も無いわけなので、戦闘回数176回の時間経過でシフが単独でもローバーンのモニカ小屋に現れるのはどうしてなのか?・・・という疑問である。

 私見としては、シフはアルベルトからこれまでの経緯を聞いていたであろうから、その際に聞いたイスマスの断崖絶壁ダイブに興味を惹かれてしまい、「あの坊やがどんなスリリングを味わったのか私も試してみよう!」ってことで絶叫マシンに挑戦する感覚で自ら飛び降りてみた。
 その結果、流れ着いたところがローバーンで、結局シフもモニカのお世話になることになった・・・ということなのではないだろうか。
 

3.世界の動向

 本章では無干渉時にマルディアスの各地でどのような物語が描かれるのかについて整理する。

(1)フロンティアの動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・開拓村の子どもが誘拐される。

・開拓村周辺のモンスター出没が日に日に増して、開拓民らは不安を抱える。

03 64

・ニューロードのモンスターが増える。

05 96

・ニューロードのモンスターが増える。

07 144

・ニューロードのモンスターが増える。

08 160

・ヴァンパイアが活動を開始し、開拓村の人々を僕(しもべ)に変える。

0A 240

・ニューロードのモンスターが増える。

0B 320

・ニューロードのモンスターが増える。

0D 400

・ニューロードのモンスターが増える。

12 476

・モンスターの襲撃により北東の開拓村が壊滅する。

・ニューロードのモンスターが増える。

13 560

・ニューロードのモンスターが増える。

17 624

・モンスターの襲撃により北の開拓村が壊滅する。

・ニューロードのモンスターが増える。

19 800

・ニューロードのモンスターが増える。

1B 832

・モンスターの襲撃によりウエストエンドが壊滅する。

・ジュエルビーストがウエストエンドにも姿を表す。

・ニューロードのモンスターが増える。

1E 880

・ジュエルビーストがニューロードにも姿を表す。

・ニューロードのモンスターが増える。

4A 24415

・モンスターの襲撃によりタルミッタが壊滅する。

・ジュエルビーストがタルミッタにも姿を表す。

・ニューロードのモンスターが増える。


■開拓村に誘拐事件
 主犯の半魚人は倒されることはなく、子どもは誘拐されっ放し。

■モンスター大発生
 放置が続く。

■ヴァンパイア復活
 ヴァンパイアは虎視眈々とさらなる勢力拡大を目論み続ける。

■フロンティア壊滅
 ひたすらモンスターの増加が進行し、人々が生活していた場所はモンスターに占拠されたままになる。

■ジュエルビースト討伐
 ジュエルビーストの侵攻は誰にも止められず、その脅威はフロンティアを越えてクジャラートにまで達する。

■「幻」のアメジスト
 バーバラが主人公の場合には段階1E(戦闘回数880回)でウエストエンドにいるハオラーンも邪神の復活を憂い始めるのでアメジストを貰うことはできなくなる。
 この際アメジストの個別フラグに変化は無いので、ハオラーンが以降もアメジストを所持し続けることになる。
(2)クジャラートの動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・アサシンギルド最奥でワイルが西方侵攻作戦を進行中。

04 80

・南エスタミルの奴隷商人組織の末端がガレサステップにまで遠征して女性を拉致し始める。

・南エスタミルの奴隷商人組織が地下に奴隷を収容し始める。

・タラール族の娘が拉致されてハーレムに送られるが、そこに侵入してきた盗賊に救出される。

・アフマドの奥方様が旦那に不信感を持ち、素行調査を始める。

(・次期不詳であるが、ダウドがアサシンギルドに拉致されて洗脳される。)

06 112

・南エスタミルの奴隷商人組織が商売変えをする。

・アフマドがハーレムに姿を現すことが無くなる。

0A 240

・ハルーンが権力奪還作戦を実行に移す。(タルミッタのハルーンが影武者になる。タルミッタの水が干上がる。人攫いの活動が活発になる。アフマドの娘が攫われる。タルミッタの老婆が水竜祭の復活に歓喜する。)

0B 320

・ハルーン一派が水竜の神殿で生贄の儀式を開始する。

0C 336

・ハルーンが水竜との交渉を開始する。

0D 400

・ハルーンが水竜から指輪を授かる。

10 448

・南エスタミルの強盗がいなくなる。(彼らの出現は完全に段階依存である。)

12 476

・ハルーンが生贄の儀式を終えて余韻に浸っている。

13 560

・ハルーン一派が水竜の神殿から撤収。→その後、ハルーンは死亡。→タルミッタの水位も戻る。

・タルミッタのハルーンの影武者も撤収する。

17 624

・盗賊ギルドがアサシンギルドの復活に怯え始める。

・洗脳されたアサシンダウドが南エスタミルの宿屋に張り込みを始める。

40 9999

・ファラ親子が南エスタミルから失踪する。

・アサシンダウドが南エスタミルの宿屋の張り込みを他のアサシンと交代する。

・水竜はもう姿を現さない。

4A 24415

・モンスターの襲撃によりタルミッタが壊滅し、ジュエルビーストも闊歩する。


■貧民街の義賊
 ファラ親子は最終時間経過までは平穏無事に暮らしているが、最終時間経過で失踪する。

■ハーレム潜入
 段階04(戦闘回数80回)においてジャミルがアイシャを救出しているものの、その際にはアフマドには会わなかったらしく段階05(戦闘回数96回)でもハーレムはまだ健在である。
 ではどうして段階06(戦闘回数112回)で「ハーレム潜入」関連のイベント終了するのか?
 通常範疇ではハーレム潜入後には会えない南エスタミルのパブにいる仲介人であるが、その消える条件は「ハーレムでファラと話す。」or「戦闘回数112回の時間経過が起こる。」であり、2.(2)で述べたようにプレイヤーが無干渉時の場合にはファラが攫われないので、ハーレムに潜入したジャミルはアイシャを救出して南エスタミルに逃げてからパブで仲介人に会えることになる。
 つまり、ジャミルから仲介人へ(未使用台詞「そうか、アムト神殿の中だったか!よくやったぞ、これをとっておけ!早速、奥方様に報告だ!」が発動する)、そして仲介人を通じてアフマドの奥方様にハーレムの場所が伝わることになるわけなので、アフマドが奥方様にコテンパンにされることで「ハーレム潜入」関連は終了するのでしょう。
 #アフマドの後ろ盾が無くなるので南エスタミルの奴隷商人組織も潔く閉業する。

■水竜の棲む湖
 ハルーンによる生贄の儀式は順調に進行したものの、生贄の儀式を終えたハルーンは水竜の指輪の副作用で死亡する。
 彼の権力奪還の夢が叶うことは無かった。
 また、ハルーンの影武者を演じていたバックベアードは、上司ワイルの契約相手であるハルーンの死亡により任務終了でタルミッタから撤収。
 水竜は生贄(アフマドの娘)との同棲生活を満喫することになる。

■アサシンギルド壊滅
 アサシンギルド最奥でワイルが西方侵略作戦の進展を見守り続ける。
 また、アサシンギルドに洗脳されたダウドは段階40(戦闘回数9999回)になるまでは南エスタミルの宿屋で襲撃のスタンバイをしているが、段階40でダウドフラグが「E(加入)」になるため、宿屋で襲撃してくるのが「アサシン」になる。
(3)ローザリアの動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・イスマスがモンスターに襲撃されて壊滅する。イスマス公ルドルフとその妻マリアは戦死。

・ブルエーレ発の定期船がイナーシーの嵐に巻き込まれて消息を絶つ。

01 32

・イスマス廃墟にモンスターが溢れる。

03 64

・ローザリア皇太子ナイトハルトがモンスターに襲われているタラール族の娘を救出する。

・ローザリア皇太子ナイトハルトがタラール族を王国の保護下に置く。

04 80

・ガレサステップにおいて奴隷商人の手先によるタラール族の娘の拉致事件が発生する。

05 96

・タラール族の村の人々が集団失踪する。(→砂漠の地下に移住。)

0D 400

・オービルで海を見つめる老人が「魔の島に行きたい!」と懇願し始める。

12 476

・アルツールに「念願のアイスソードを手に入れたぞ!」と歓喜する男が現れる。

・↑の男に購入されて、アルツールでのアイスソードの販売が終了する。

1F 960

・イスマスの東の洞窟の最奥から謎の場所(ラストダンジョン)に転送されるようになる。

40 9999

・アルツールにいたアイスソードを自慢する男は無事に生き延びてアルツールを後にする。

・在庫がまだあったようで、アルツールでのアイスソードの販売が再開される。

・スカーブ山内部が歓迎ムードになる。

4A 24415

・再度、アルツールでのアイスソードの販売が終了する。


■イスマス崩壊
 アルベルトが主人公の場合の開始時イベントの通りに進行し、イスマスが陥落して終了。

■アクアマリン捜索
 段階40(戦闘回数9999回)でナイトハルトはアルベルトにアクアマリンの捜索を依頼しなくなる。

■スカーブ山の怪鳥
 段階40(戦闘回数9999回)でタイニィフェザーは配下に来訪者を襲わないように命令する。また、来訪者に依頼をすることもない。

■アイスソードを持つ男
 段階40(戦闘回数9999回)でガラハドの居場所フラグが「9」になるのでアルツールでアイスソードが再販開始されるが、段階4A(戦闘回数24415回)で「E(加入)」になるので再度販売中止になる。

■魔の島の秘宝
 オービルの老人はずっと「魔の島に行きたい!」と言い続ける。
 また、ウェイ=クビンは魔の島で不老不死を夢見て研究をし続ける。

■決戦!サルーイン
 邪神の復活が着々と進み、イスマスの東の洞窟から邪神復活の地へ転送されるようになるものの、邪神の完全復活にはまだまだ時間がかかるようで引きこもりを続ける。

■ナイトハルト登場
 単独で視察中だったローザリア皇太子がモンスターに襲われていたタラール族の娘を救出して終了。

■タラール族失踪
 ローザリア王国に従属を誓わされたタラール族は、地上を捨てて砂漠の地下で過ごす決断をした。

■エロールの宣告
 邪神の復活を憂う詩人は、運命干渉効果によって導かれし者が現れるのを待ち続ける。

(4)騎士団領の動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・騎士団の重鎮たちの会議でモンスター討伐出征が議論に上ったが否決される。

→テオドールとラファエルがモンスター討伐に出征する。

→ラファエルが足を引っ張りつつも最終的にはテオドールとラファエルで討伐完了。

→ラファエルが騎士に昇格する。

09 176

・テオドールの娘コンスタンツがモンスターに誘拐される。

・ラファエルは騎士団の恥晒しとしてミルザブールに投獄される。

→最終的にはハインリヒがコンスタンツを救出する。

→テオドールは渋々コンスタンツとラファエルの結婚を許す。

→テオドールは偽テオドール(イフリート)に取って代わられ、モンスターのアジトに監禁される。

19 800

・偽テオドールが火のルビーを狙ってバイゼルハイムに進撃を開始する。

40 9999

・バイゼルハイム陥落。→偽テオドール軍は撤退する。塔の内部には誰もいない。

・騎士団領の要人ら(テオドール、ハインリヒ、フラーマ、ラファエル、コンスタンツ)が失踪する。

4A 24415

・コンスタンツが再び誘拐される。

60 28495

・オイゲンシュタットにラファエルが姿を現す。

・コンスタンツがミルザブールに帰ってくる。


■騎士団の誇り
 テオドールとラファエルがモンスター討伐に成功して、騎士団の面子は守られた。

■コンスタンツ誘拐
 ミニオン論2で述べたように最終的にはハインリヒが重い腰を上げてコンスタンツを救出するが、テオドールらは騎士団精神の真の意味に気付かないままである。
 無論、誰も名誉騎士にはなっていない。

■テオドール豹変
 段階40(戦闘回数9999回)でバイゼルハイムが陥落し、静寂が訪れる。一方でミルザブールはモンスターに占拠されたまま。
 要人たちは姿を消すが、個別フラグから推察すると死亡したわけではないようである。
 #監禁されていたテオドールも脱出して逃亡中。
 #イベントに干渉してテオドールを見捨てた場合にはバイゼルハイム陥落でテオドールとフラーマが死亡する(個別フラグが「D(死亡)」になる)が、最終時間経過での陥落では死亡にならない。  

(5)バルハラントの動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・地元の戦士が西の洞窟と南の洞窟を占拠したモンスターを退治をする。

01 32

・海岸に難破船が漂着する。

→地元の戦士が難破船の生存者を救助する。

03 64

・南の洞窟の通路が開通し、洞窟深部をモンスター一派が占拠する。

10 448

・海岸の難破船が消える。

11 460

・海岸に難破船が現れる。

1E 880

・凍結湖の氷が溶ける。

・南の洞窟の深部を占拠していたモンスター一派がいなくなる。

・西の洞窟の通路が開通する。

20 1040

・海岸の難破船が消える。

40 9999

・凍結湖の城に安置してあったオブシダンソードが紛失する。

・凍結湖の城の赤魔法使いがいなくなる。

43 12079

・海岸に難破船が現れる。

60 28495

・凍結湖の城に再度赤魔法使いが現れる。

・海岸の難破船が消える。

61 32561

・海岸に難破船が現れる。


■モンスター掃討1
 2.(1)で示したように、シフが解決する。

■モンスター掃討2
 上記のように、段階1E(戦闘回数880回)で凍結湖の氷が溶け、南の洞窟のバルバル一派がいなくなり、西の洞窟の深部への通路が開通する。
 凍結湖の氷が溶けることについては、ミニオン論2で述べたように「デスと交渉することで凍結湖の氷が溶けることから凍結湖の氷はデスの魔法の産物であり、無干渉時にはヘイトがデス教団『冥府を解く』の高位の神官を生贄にすることでデスと交渉し、凍結湖の氷の結界を解かせた」のだと推察する。
 では、南の洞窟からバルバル一派がいなくなることと、西の洞窟の深部への通路が開通することについてはどのように説明することができるのか?

(a)イベント進行段階の解釈の仕方についての再考
 バルハラントの進行段階を解釈するにあたって、その解釈の仕方について改めて考えておく必要がある。
 シフが主人公の場合、開始時(バルハラント段階0)には西の洞窟、南の洞窟にボスモンスター一派はいないけれど、ガトと話すことで(バルハラント段階1)西の洞窟と南の洞窟にボスモンスター一派が出現してしまう。
 このことをどう解釈したらいいのか?
 先の「デスと交渉することで凍結湖の氷が解けるから、凍結湖の氷はデスの魔法の産物である」(ミニオン論2)と同じように解釈するならば、「ガトと話すことでモンスターが出現したのだからガトがモンスターを召喚した」と見なすこともできる。
 実際にガトはアルベルトを召喚する能力を持っているわけなので、モンスターを召喚できても何ら不思議ではないかもしれない。
 そして、西の洞窟、南の洞窟の変化が全て(「モンスター掃討1」だけでなくその後についても)ガトの力によるものだと解釈したとしても、それなりに筋の通った説明をすること自体は可能である。
 しかしながら、「ガトはそんなことしないだろ!」というのが正直なところで、筆者としてはモンスター掃討1、2のモンスターたちは邪気の増加に伴う自然発生ということで説明したい。

 そこで、イベント進行段階の解釈の仕方をより柔軟にすることする。
 具体的には、ゲーム内ではシフがガトと話すことで瞬時にボスモンスター一派が洞窟に出現しているけれど、それを瞬時の出来事と見なすのではなく、シフがガトと話す際には「そんなある日」のような時間の経過が起こっていると見なすのである。
 つまり、ゲーム内ではシフがガトと話す場面が一時の出来事として描かれているけれど、実際には「開始時(バルハラント段階0)にはまだ洞窟のモンスターは多くないけれど、そんなある日(バルハラント段階1)洞窟にモンスターが棲みついてしまった」と解釈するわけである。
 全てのイベント進行段階をこのようなスケールで解釈するというわけではなく、状況に応じて適宜このような時間の経過を含んだ解釈も許容するということである。
 #ゲームシステムの「時間経過」は「時間経過ポイントを踏むことで戦闘回数に応じた段階まで時間が経過する」ということであるのに対して、イベント進行段階における「時間の経過」とは「そのイベントの中での時間的な進展」のことである。

(b)西の洞窟の開通の仕組みは?
 西の洞窟の深部への通路は以下の条件のいずれかを満たすことで開通する。
 ・「モンスター掃討2」で南の洞窟の固定敵「バルバル」を討伐し、ガトに報告する。
 ・戦闘回数880回の時間経過をする。
 ・デスから凍結湖の城についての話を聞く。

 上記の3つの中で最も早期に実行できるのは「バルバルを討伐してガトに報告する」であるが、どうしてこれで西の洞窟が開通するのか?
 可能性をいくつか挙げてみる。
 ・温暖化の影響で氷壁が溶けた?
  →否。バルバル討伐で開通する場合と戦闘回数880回で開通する場合では時間的な差がありすぎる。
 ・バルバルが氷壁を作っていて、術者のバルバルが死亡したから解除された?
  →否。そのような能力を持つモンスターの存在は描写されていないし、バルバルは術法系のモンスターでもない。
 ・ガトが洞窟の深部(B3)を守るために封じていて、それを解除した?
  →否。ガトが意図的にやったのならば(デスの如く)情報をくれるはずだが、そんな素振りは無い。そもそも、西の洞窟の特殊性はメタ的に観ないと分からないだろうから、ガトでも西の洞窟の秘密を知らなかったのでは。
 

 このように納得できる理由を説明することができないので、一旦視点を変えてみることにする。
 そもそも西の洞窟(と南の洞窟)の通路はどうして最初は封鎖されていたのだろうか?
 推察であるが、おそらくあの封鎖は凍って閉ざされているとか、崩れて塞がっているとか、モンスターが何かしらをしたとかではなく、ガトの村の人々が意図的に封鎖していたのではないだろうか。

 ガトは言う・・・「西の洞窟にはグリーンスライムが、南の洞窟には悪魔が棲み着いた。退治してきてくれ。」
 この台詞から察するに、西の洞窟と南の洞窟はバルハル族にとっては大切な場所なのだと思われる。
 つまり、どうでもいい場所ならばモンスターが住み着いても問題無いはずであるが、それでは困るということであり、今までも必要だから管理していたのに、そこに流れのモンスターが棲みついてしまったから退治が必要ということなのであろう。
 #バルハル族が何かの採集・採掘・狩猟もしくは儀式等で使う場所なのだと思われる。

 バルハラントの前日譚として、ガトの村の住民が「最近モンスターが多くてねー」と言うようにバルハラントにもモンスターの出没が増えてきて、バルハル族にとって大切な西の洞窟と南の洞窟にもモンスターが棲みつき始めてしまった。
 そこで、バルハル族の人たちはモンスター駆除の目的で両洞窟の通路の狭い場所を封鎖し、モンスターを閉じ込めることで餓死させようとしたのである。
 ところが、モンスターは邪気があれば大丈夫なようで、西の洞窟の深部に閉じ込めたモンスターたちは生きながらえ、南の洞窟の深部に閉じ込めたモンスターの多くは奥の出口から脱出してしまったのであった。

 そのような状況の時にシフの冒険は始まる。
 深部への通路が封鎖してある西の洞窟と南の洞窟に流れのモンスターが棲みついてしまったから、シフが討伐に赴き、それに成功する。
 シフが両方の洞窟の流れモンスターを討伐してバルハル族の不安の種が一つ解消されたかに見えた"そんなある日"、再度南の洞窟に流れのモンスター一派(バルバル一派)が棲みついてしまう。
 この際、バルバル一派は南の洞窟の封鎖されていた通路を掘削・開通させて最奥に陣取ったのであった。
 

 そんなバルバル一派を討伐することで南の洞窟のモンスター数は減少し、深部への通路もバルバル一派によって開通済み。
 そろそろ採集・採掘・狩猟(もしくは儀式等)の時期になってきたので、「南の洞窟の状況が落ち着いた今がチャンス!」ということで西の洞窟の深部への通路もバルハル族が開通させて目的を果たすことにした・・・ということなのではないだろうか。
 両洞窟には当然まだモンスターが少なからず棲息しているものの、ガトの村には(シフが村一番ではあるけれど)他にも戦士はいるはずなので(例えば、シフの両親も戦士)、洞窟に突入しても大丈夫なのでしょう。

(c)まとめ
 以上の推察により、段階1E(戦闘回数880回)で起こる事象は次のような理屈で起こっているのだと推察する。
事柄

・ヘイトの画策(デス教神官を生贄にしてデスと交渉)により凍結湖の氷が溶ける。(ミニオン論2を参照)

→南の洞窟のバルバル一派が消える。

#シフはバルハラントから出ているので、他の戦士(シフの両親等)が退治したのかもしれないし、凍結湖の城に侵入可能になったのでバルバル一派はそこに引っ越しをしたのかもしれない(・・・もちろんフルフルに返り討ちにあったが)。

→西の洞窟の深部への通路が開通する。

#南の洞窟のバルバルがいなくなったので、バルハル族の目的達成のためにバルハル族が開通させた。(上述(b)を参照)


■凍り付いた城
 段階40(戦闘回数9999回)でオブシダンソードは消え、赤魔法使い(ヘイト)も姿を消すが、オブシダンソードの個別フラグを見る限りはオブシダンソードは赤魔法使いに奪われたわけではないようである。
 #実際、サルーインはオブシダン譲渡状態にはならない。
 オブシダンソードはどこに消えたのか?・・・ずっと守り続けているフルフルさんならばその行方を知っているのかもしれません。
(6)バファルの動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・メルビルのエロール神殿の地下でストライフが東方侵攻作戦を進行中。

01 32

・ローバーンにイスマス公の息子が流れ着くが、バファルの諜報部員の心遣いにより無事に脱出する。

03 64

・ゴールドマインがモンスター軍団に襲撃される。

・バファル親衛隊のジャンが密命で迷いの森の住人についての身辺調査を進める。→その際にモンスターに襲われるが、迷いの森の住人に救出される。

04 80

・迷いの森の住人がメルビル城を訪問する。

05 96

・財務大臣パトリックが金塊横領の嫌疑の責任を取るために謹慎処分を言い渡される。

・メルビルで変死事件が発生する。

・メルビルに「クローディア」という名前の女性を捜す不審者が出没する。

06 112

・ゴールドマインの金鉱B3にモンスターが出現する。

07 144

・ジャンがローバーンに監禁される。→ネビル関係者の男女二人組がローバーンに潜伏する。

・何者かの活躍でメルビルのサルーイン秘密神殿が壊滅する。

08 160

・ネビル関係者の男女二人組の活躍により、ローバーンに監禁されていたジャンが救出される。

09 176

・ジャンがメルビルに帰還する。

・ブルエーレのフランコ邸に貴族の娘が姿を現す。

0A 240

・メルビル皇帝が奇病に侵され、寝込み始める。

14 576

・グレートピットで詩人がアディリスのために歌う。

17 624

・メルビル皇帝の奇病が完治する。

・メルビル地下水道に潜伏する海賊たちの活動が活性化する。

18 720

・ゴールドマインが再びモンスター軍団に襲撃される。

・メルビル地下水道に潜伏する海賊たちの活動がさらに活性化する。

19 800

・メルビルにブッチャー海賊団が襲来する。

・メルビルからの定期船に乗れなくなる。

1A 816

・メルビルにモンスター軍団が襲来する。→エロール神殿もモンスターに占拠される。

・ブッチャー海賊団が撤退をし始める。

・ゴールドマインの金鉱の最奥に潜伏していたゴールドドラゴン(S)がいなくなる。

1B 832

・ブッチャー海賊団がメルビルから撤退完了する。

・モンスター軍団がメルビル城1Fまで侵攻する。

1C 848

・モンスター軍団がメルビル城2Fまで侵攻する。

1D 864

・モンスター軍団がメルビル城3Fまで侵攻する。

1E 880

・メルビル襲撃の実行部隊長スフィンクスがバファル皇帝の寝室まで侵攻する。

40 9999

・メルビル襲撃は完了し、モンスター軍団は姿を消す。→要人らも消息を絶ち、住民らも帰ってこない。

・ゴールドマインを襲撃しているモンスター軍団がいなくなる。(深部のモンスターはそのまま)

・エロール神殿の地下からストライフとマックスが撤収する。

・迷いの森のオウルが死亡する。(冥府に現れる)

・アディリスが依頼をしなくなる。

60 28495

・メルビル城にネビルが帰ってくる。


■迷いの森の番人
 クローディアの身辺調査のために迷いの森に訪れていたジャンであったがモンスターに襲われてしまう。
 そこに獣たちを引き連れた森の番人クローディアが現れて、モンスターを撃退してくれる。
 ピンチはチャンス!これを好機と捉えたジャンはクローディアに直接探りを入れるのだった。

■ゴールドマイン襲撃1
 サルーイン教団の手引きにより、モンスターがゴールドマインの金庫を襲撃し、金塊を強奪して去っていった。(ミニオン論3を参照)

■パトリック失脚計画
 ゴールドマインから強奪された金塊はサルーイン教団の下請けによってパトリック邸に運び込まれる。
 それにより財務大臣パトリックは謹慎処分を言い渡された。(ミニオン論3を参照)

■皇女の護衛1
 ジャンの画策により、旧知のグレイはクローディアの護衛(ガイド)をすることになった。

■サルーイン秘密神殿
 サルーイン秘密神殿は段階08(戦闘回数160回)になると壊滅している・・・即ち、段階07において何かがあったのだと思われるが、どうして壊滅しているのか?
 メルビルの警備隊が乗り込んだのだろうか?
 否!・・・大全集において「それなりにがんばってはいるが、殺し屋や異教徒が地下水道に逃げ込んでしまうと、手を出せないという現状だ。」と説明されているように、彼らではとてもサルーイン教団にたちうちすることはできない。

 ではどうしてなのか?と言うと・・・おそらくミニオン論4で述べた「語られぬ助っ人(ミルザ)」が裏で動いて壊滅させたのであろう。
 語られる助っ人とはどのような人物なのかを簡単に説明するならば、プレイヤーが関わらないイベントにおいてサルーイン教団と対峙している人物で、冒険者たちの姿に化けて事件の鎮圧をしている。
 そのような人物が裏で行動していたために、主人公がストライフやワイルと対面した際には「お前達!サルーイン様の復活を阻止しようとしているらしいが本当か!?ならば容赦はせんぞ。」、「その者達を殺せ!サルーイン様の復活を阻もうとする奴だ。必ずしとめろ!」という身に覚えの無い台詞を(人違いで)浴びせられることになるわけである。

 語られぬ助っ人は主にクジャラートやバファル、そしておそらくローザリアで発生するサルーイン教団絡みの事件の解決に奔走していて、騎士団領での事件の解決には動いていない。
 それは「自分の意思を継いだ者たちならば自分たちで解決できるはず!」という期待の気持ちがあったからだと思うが、残念ながら騎士団領はモンスターの手の中で踊らされ続けたのであった。
 #また、フロンティアも完全に放置のようである。

■ジャン救出作戦
 ネビルからの依頼を受けて、グレイとクローディアで無事にジャンを救出した。
 #プレイヤーの干渉によってグレイ、クローディア、アルベルトがジャンの救出に行けなかった場合にはどうやって解決するのか?→ジャンが自力で脱出?・・・いや、それができるならばさっさと脱出していたはず。→ということで、おそらく語られぬ助っ人が救出したのでしょう。

■皇女の護衛2
 ジャン救出作戦に関わったクローディアをローバーンから逃がすために、当面はアルベルト、グレイ、シフの3人で護衛することになる。
 #なお、アルベルト、グレイ、シフがいない場合には、クローディア単独での逃避行となる。

■グレートピット探索
 段階40(戦闘回数9999回)でアディリスは依頼をしてこなくなる。

■オウルとの死別
 段階0A(戦闘回数240回)でオウルは病床に臥すがクローディアを呼ぶことは無かった。
 そして、段階40(戦闘回数9999回)で静かに遷化したのであった。

■皇帝の奇病
 段階17(戦闘回数624回)でコルネリオとマチルダがスフィンクスに呪いの継続を止めさせたことにより皇帝は奇病から回復した。(ミニオン論3を参照)

■ゴールドマイン襲撃2
 段階40(戦闘回数9999回)でゴールドマインを襲撃しているモンスター軍団がいなくなるが、住民は帰ってこない。

■モンスター軍団襲来
 段階40(戦闘回数9999回)でメルビルを襲撃しているモンスター軍団がいなくなるが、住民は帰ってこない。
 主な要人ら(皇帝、ネビル、パトリック、コルネリオ、マチルダ、ソフィア、ブッチャー)は失踪するも生存しているが、ジャンは死亡する(個別フラグが「D」になる)。(ミニオン論3を参照)
(7)アロン島(及びサンゴ海)の動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・海賊の暗躍によりゲッコ族が拉致され、ウェイプで人身売買が開始される。(ミニオン論3を参照)

32 01

・サンゴ海のマスク島にてバファル帝国による海賊撃退作戦が決行される。

・パイレーツコーストにて海賊同士の内紛が起こり、穏健派海賊が追放される。

40 9999

・ウェイプで捕らわれていたゲッコが解放される。


■マスク島の決闘
 バファル帝国海軍を率いるコルネリオと結託していたブッチャーの策略に嵌められて、穏健派のホーク海賊団は帝国海軍に襲撃される。
 愛船レイディラック号がボロボロになりながらも何とか帝国海軍の包囲網を潜り抜けてパイレーツコーストに逃げ延びたホーク海賊団であったが、ブッチャーの策略はまだ続いており、裏切り者の汚名を着せられて処刑されかける。
 命からがらアロン島に逃げ延びたホーク海賊団・・・船員を陸地に送り届けたレイディラック号はその使命を全うしたかのように静かに海底に沈んで行ったのであった。

■ゲッコ族解放
 段階40(戦闘回数9999回)で拉致されていたゲッコ族が無事に解放されたようで、何もしていないのにゲッコ族長に「信頼できる人物」として認められるようになる。
 #救出したのはおそらく語られぬ助っ人(ミルザ)であろう。
(8)リガウ島の動向
段階 戦闘回数 事柄
00 0

・三途の川メンバーにルドルフとマリアが加わる。

12 476

・ジェルトンがモンスターに占拠される。

・財宝の穴のウラノスがいなくなる。

13 560

・三途の川メンバーにハルーンが加わる。

40 9999

・トマエ火山のFタイラントの手下が歓迎ムードになる。

・三途の川メンバーにオウルが加わる。


■仲間たちとの別れ
 2.(3)で述べたように、段階03(戦闘回数64回)の時点でグレイとガラハドはメルビルでパーティーを解散している。

■トマエ火山の迷宮:-(最終時間経過)
 段階40(戦闘回数9999回)でフレイムタイラントは配下に来訪者を襲わないように命令する。また、来訪者に依頼をすることもない。

4.まとめ

(1)干渉時と無干渉時の結末についての整理
 2.及び3.をもとにして、干渉時に起こりえるイベントの結末と無干渉時のイベントの結末について整理する。
 は筆者判断での「人々にとってのハッピーエンド」、×は筆者判断での「人々にとってのバッドエンド」である。       
イベント 干渉時 無干渉時
開拓村の誘拐事件

子どもが村に帰ってくる。

×子どもは誘拐されたまま。

モンスター大発生

開拓村に平穏が訪れる。

×開拓村がモンスターに占拠される。

ヴァンパイア復活

ヴァンパイアの僕被害が無くなる。

×ヴァンパイアの僕被害が続く。

フロンティア壊滅

フロンティア地方に平穏が訪れる。

×フロンティア地方とタルミッタが壊滅する。

×フロンティア地方とタルミッタが壊滅する。

ジュエルビースト討伐

Jビーストが消滅する。

×Jビーストが居住地にまで侵攻する。

×Jビーストが居住地にまで侵攻する。

「幻」のアメジスト

アメジストが人の手に託される。

×アメジストが人の手に託されない。

アメジストが人の手に託される。

貧民街の義賊

×(一時的にではあるが)ファラ母が発狂する。

ファラ親子が平穏無事に過ごす。

ハーレム潜入

クジャラート首長アフマドを懲らしめる。

×クジャラート首長アフマドが暗殺される。

クジャラート首長アフマドが奥方様に怒られる。

×(最終的には救出されるが)ファラが借金のかたに連れていかれる。

ファラが借金のかたに連れていかれない。

奴隷商人組織が壊滅する。

奴隷商人組織が壊滅する。

水竜の棲む湖

ハルーンが死亡する。

ハルーンが死亡する。

生贄にされていたアフマドの娘が救出される。

×生贄にされていたアフマドの娘は帰ってこない。

×生贄にされていたアフマドの娘は帰ってこない。

水竜の望みが叶えられる。

×水竜が死亡する。

平常が続く。

アサシンギルド殲滅

アサシンギルドが壊滅する。

×アサシンギルドが暗躍し続ける。

ダウドが生存する。(×別のアサシンは死亡する。)

×ダウドが死亡する。(別のアサシンは生存する。)

ダウドが生存する。(別のアサシンも生存する。)

イスマス崩壊

×イスマスが壊滅し、ルドルフとマリアが死亡する。

×イスマスが壊滅し、ルドルフとマリアが死亡する。

×兵士1、2が死亡する。

兵士1、2が生存する。

兵士3、4が生存する。

×兵士3、4が死亡する。

アクアマリン捜索

アクアマリンがナイトハルトによって保護される。

アクアマリンが冒険者によって保護される。

アクアマリンが安置されたまま。

スカーブ山の怪鳥

タイニィフェザーの望みが叶えられる。

×タイニィフェザーが死亡する。

スカーブ山内部が歓迎ムードになる。

アイスソードを持つ男

ガラハドが生存する。

×ガラハドが通り魔に襲われて死亡する。

ガラハドが生存する。

魔の島の秘宝

ウェイ=クビンは研究を続ける。

ウェイ=クビンは研究を続ける。

オービルの老人は満足して逝く。

オービルの老人は死なないが、未練を持ち続ける。

決戦!サルーイン

邪神を討伐し、新しい時代が始まる。

×邪神とモンスターの脅威に怯える日々が続く。

ナイトハルト登場

ナイトハルトとアイシャが顔見知りになる。

ナイトハルトとアイシャが顔見知りになる。

タラール族失踪

タラール族が砂漠の地下に移住する。

タラール族が砂漠の地下に移住する。

エロールの宣告

神々の武器が人の手に渡る。

×神々の武器が人の手に渡らない。

巨人の鍛えた武具が人の手に渡る。

×巨人の鍛えた武具が人の手に渡らない。

死神の武具が人の手に渡る。

×その代償に仲間の命が奪われる。

×死神の武具が人の手に渡らない。

仲間の命が犠牲にならず生存する。

騎士団の誇り

騎士団の面子を守りつつモンスター退治をする。

モンスターは退治されたが騎士団の面子は潰れる。

騎士団がモンスター退治をして面子を守る。

コンスタンツ誘拐

コンスタンツが救出される。

コンスタンツが救出される。

騎士団が騎士団精神の真の意味に気付く。

×騎士団が騎士団精神の真の意味に気付かない。

テオドール豹変

騎士団領が平和になる。

×ミルザブールは蹂躙されたままで、バイゼルハイムは陥落する。テオドールとフラーマが死亡する。ルビーが邪神の手に渡る。

×騎士団領はモンスターに蹂躙されて終わる。

要人たちは失踪するが生きてはいる

最終的には生き残った要人たちは失踪する。

モンスター掃討1

洞窟に棲みついたモンスターが退治される。

洞窟に棲みついたモンスターが退治される。

モンスター掃討2

洞窟に棲みついたモンスターが退治される。

洞窟に棲みついたモンスターがいなくなる。

凍りついた城

オブシダンソードが人の手に渡る。

×オブシダンソードが邪神の手に渡る

×オブシダンソードが紛失する

迷いの森の番人

ジャンが生存する。

ジャンが生存する。

ゴールドマイン襲撃1

×モンスター軍団に金塊を奪われる。

×モンスター軍団に金塊を奪われる。

パトリック失脚計画

×陰謀によりパトリック失脚。

×陰謀によりパトリック失脚。

落とし物を届けるのは善行ではなく当然のこと。

×金塊泥棒が悪行を積む。

事件に巻き込まれた第三者はいない。

皇女の護衛1

グレイがクローディアの護衛をすることになる。

×グレイがクローディアの護衛を拒否する。

グレイがクローディアの護衛をすることになる。

サルーイン秘密神殿

秘密神殿が壊滅し、生贄娘が救出される。

秘密神殿が壊滅する。生贄娘も救出されたはず。

ジャン救出作戦

ジャンが救出される。

ジャンが救出される。

皇女の護衛2

クローディアに護衛がついてローバーンを脱出する。

クローディアが単独でローバーンを脱出する。

クローディアに護衛がついてローバーンを脱出する。

グレートピット探索

アディリスの望みが叶えられる。

平常が続く。

オウルとの死別

オウルがクローディアに遺言を伝えて死亡。

×オウルがクローディアに遺言を伝えられずに死亡。

皇帝の奇病

皇帝の奇病が回復する。

皇帝の奇病が回復する。

ゴールドマイン襲撃2

町と金鉱にモンスターがいなくなるが、人々も姿を消す。

襲撃しているモンスターはいなくなるが、人々も姿を消す。

モンスター軍団襲来

メルビルに平和が戻る。

最終的にはモンスターがいなくなるが、要人、住民らも失踪する。

最終的には要人、住民らが失踪する。

×最終的にはジャンが死亡する。

×最終的にはジャンが死亡する。

マスク島の決闘

×パイレーツコーストから穏健派が追放される。

×パイレーツコーストから穏健派が追放される。

ゲッコ族解放

拉致されたゲッコ族が解放される。

拉致されたゲッコ族が解放される。

仲間たちとの別れ

グレイ一行が今後について相談する。

グレイとガラハドがパーティーを解散する。

トマエ火山の迷宮

フレイムタイラントの望みが叶えられる。

×フレイムタイラントが死亡する。

フレイムタイラントの手下が歓迎ムードになる。

ジェルトンに平和が戻る。

×ジェルトンがモンスターに蹂躙されたまま。


(2)比較を通して
 (1)の整理を眺めてみると、干渉時・無干渉時に関してのイベントの構造は一様ではなく、干渉すればより良い結末(ハッピーエンド)になるというものばかりではない。
 そこで、特徴的な構造を持つイベントを取り上げてみる。

(i)デスの規律
 干渉時・無干渉時でも結末の変わらないイベントはいくつかあるが、特徴的なものは「イスマス崩壊」である。
 このイベントでは干渉時と無干渉時で兵士1、2と兵士3、4の生死に相互関係があるのである。
 つまり、干渉時には兵士1、2が死亡して兵士3、4が生存するが、無干渉時には兵士1、2が生存して兵士3、4が死亡するのである。
 この生死の相互関係はまさに「何かを得るためには代償を支払う必要がある」という死神デスとの交渉と同じ構造であり、「イスマス崩壊」には暗黙的にデスの規律が影響していたと見ることができるのである。
 #故に仮にルドルフとマリアの生存ルートがあったのならば・・・おそらく代償は姉弟の命になるのではないだろうか。

(ii)最善、最悪、そして次善
 ロマ1のイベントの中には「プレイヤーの意に反する失敗(バッドエンド)」が明確に描かれているものもある。
 それはヘイトが絡む「テオドール豹変」と「凍りついた城」の二つである。
 この二つのイベントは干渉時・無干渉時という視点で見ても同じ構造をしている。
 つまり、「イベントに干渉して成功すればハッピーエンドになるが、失敗すればバッドエンドになり、無干渉ならばバッドエンドになるものの干渉して失敗した場合よりはまだまし」という構造・・・即ち、「干渉して成功ならば最善、無干渉ならば次善、干渉して失敗ならば最悪」という構造である。

 この構造は私たちの生活の中でも当たり前に起こりえることで、私の実体験として以下のようなことがあった。
 とび森とマリカ7を一緒に楽しむためにRさんに3DSを貸していたのであるが、Rさんが衣服のポケットに3DSを入れたままトイレに行ってしまい、その際に3DSがポケットから転がり落ちて水没しまった。
 Rさんはすぐに私に事情を話してくれたので、この件は事故であり私も別に怒ることは無かったが、携帯ゲーム機の水没なんて私としても初めての経験だったので・・・とりあえず壊れていないか電源を入れてみるか・・・ボン!!・・・チーン(ご臨終)。
 任天堂に修理に出してみたが、保存データが死滅して別の本体にデータ移行をすることもできず、本体交換費用に加えダウンロードしていたソフトも再度購入しなければならなくなったのであった。
 

 上手く自分で直せていたら最善だったけれど、無知故に自分でかまった結果が最悪の結末になってしまった。
 #ゲーム機が水没したら通電させてはいけません。ショートして再起不能になる可能性が高いです。
 ノータッチで修理に出していたらデータ移行はできていた可能性もあるわけなので、このような結末になるくらいならば、むしろかまわない方が良かったのに・・・と、後になって「もしも」の次善を考えてしまうわけである。

 そうは言っても私たちはマルディアスの神々のように未来が見えるわけではないので、いつでも追い込まれた状況を俯瞰的に見ることができるわけでもなく、その時その時で最善を求めて行動してしまうかもしれない。
 そして、その行動の結果が最善でも、無干渉での次善でもなく、最悪になってしまうこともありえるだろう。
 そんな最悪の状況になったときに私たちはどうしたらいいのか?

 ネットを見ているとロマ1に関して「イフリートで詰んだ」というコメントを度々目にする。
 言わずもがな「テオドール豹変」のクライマックス場面であり、イフリートが倒せないならばそれはこのイベントが最悪の結末を迎えることを意味する。
 しかしながら、その結末になったとしても決して"詰んだ"わけではない。
 テオドールを見捨てなければならないけれど、そうすることであなたの邪神討伐の物語はまだまだ続くのである。
 

 「最悪になっても詰んだわけではない。最悪すらも受け入れて前に進んで行こう!」
 そんな人間の生き方についてのメッセージが「テオドール豹変」には込められているのではないだろうか。

5.おわりに

 私たちがロマ1をプレイする際には必然的にロマ1の世界に干渉しているのであるが、その必然を取っ払って無干渉時について検討することでロマ1についての新たな知見を得られたと思う。
 特に「テオドール豹変」におけるイフリートは一部の方にとっては"絶望"や"諦め"の象徴のように捉えられているかもしれないが、実は全くの真逆で「最悪の苦境に陥ったとしても"挫けぬ気持ちで奮起する"という前向きなメッセージのための布石」だったということに気付けたのが本稿の大きな成果である。